PR

TrendShipロゴ

動画の分析メディア

タグ・動画の追加依頼

CATEGORY

タグ・動画の追加依頼

CATEGORY

クリエイターみんなで刺激を浴びるサイト
Analysis Report

アナリスト

カイ
カイ

「企業のイメージを刷新したい…」そんな悩みに効果的で斬新な採用のリブランディング事例

CREDIT
タイトル "NANIMONO"
会社名 三菱地所
訴求対象 新卒
訴求ポイント 感情
公開日 2025/02/25
ANALYZE DATA
構成力 再現性 メッセージ性 視覚設計 テンポ
TIME CODE
0:00 0:20 0:40 1:25 2:00 2:30

0:00〜0:20 パブリックイメージ
      (既存定義)の共有
0:20〜0:40 既存定義の否定
0:40〜1:25 会社の求める人物像の共有
      (どういう夢・考えを持った人が
      実際にいるか)
1:25〜2:00 多様な人・考えを展開
2:00〜2:30 視聴者への念押し
      (コンセプトコピーで締める)

今回は僕が一番感情を引き込まれてワクワクした動画を紹介します!都会的で洗練された雰囲気でありながら社員さんの声はまっすぐ届く…。なぜこんなにワクワクするのか、どうしてここで活躍できる人になりたいと思えるのか、その理由を分析して言語化していきたいと思います!

※レビュアー・松尾(画像左)とアナリスト・カイ(画像右)による分析会議の様子

シネマスコープ撮影で「物語の予感」を仕込む

冒頭、街の日常風景から入りますが、これはシネマスコープ、つまり映画と同じ画角で撮影されていますよね。この意図をどう見ていますか?

おっしゃる通りです!映画と同じ比率を使うことで、採用動画でありながら「物語が始まる」という感覚を最初に植え付けているんだと思います。日常的な風景をあえて非日常的な画角で見せることで、視聴者の引っかかりを作っている。

見慣れない画角にすることで、続きを見たくなる仕掛けになっている、と。企業のブランドムービーであれば、素材の見せ方一つで「これは普通の会社紹介ではない」という期待値を作れる、という点は再現性がありそうですね。

Method 1

シネマティックな画角を用いて日常の風景を

あえて非日常的に切り取り、単なる会社紹介動画に見えない

”物語の始まり”を予感させ、続きをみたいと思わせる

ブランドカラーと逆の配色をあえて選ぶ

三菱地所のコーポレートカラーは赤ですが、この動画は全編が青を基調にしています。これはどう解釈しますか?

この動画のコピーが「何者にも定義されない」であることと関係していると思います。既存のブランドイメージ、つまり定義づけをあえて壊す表現として、真逆の寒色を選んでいる。青は近未来やテクノロジーを想起させる色でもあるので、これから会社を作っていく人材を求める採用動画としても意味が合っています。

レギュレーション的には反発が起きてもおかしくない攻めた選択ですが、コンセプトに一貫性を持たせるための逆算だったわけですね。企業の担当者からすると、「ブランドカラーを守ること」と「メッセージを際立たせること」のどちらを優先するかを考えさせられる事例です。

Method 2

イメージカラーと逆の青を基調にすることで”既存のイメージを壊し”つつ

「近未来・テクノロジー」を想起させる採用コンセプトと世界観を

強力にシンクロさせてコンセプトに一貫性をもたせる

「〜だけじゃない」で既存の概念を否定する

動画の中盤、「だけじゃない」という否定表現から一気に画面とBGMが動き出します。ここはどういう機能を持たせていると思いますか?

これは広告のランディングページによくある構造と近いと感じました。「悩みを定義して、それを解決できると示す」という型です。今回で言えば「今まで思っていたイメージ」を一度提示して、それを否定することで次のメッセージへの落差を作っている。

型としてはシンプルですが、シネマスコープからの積み上げがあるからこそ、この否定がより効いて見える。単体の技法ではなく、前段の演出とセットで機能しているというのは、他業種でも応用できる考え方だと思います。

Method 3

視聴者が抱いている既存イメージを冒頭で提示し

”〜だけじゃない”という言葉で明確に否定することで

メインメッセージや映像の展開へドラマチックな落差を生み出す

モーショングラフィックとプリズムで近未来感を出す

斜めのラインを使ったモーショングラフィックが繰り返し出てきます。これはデザイン面でどのような効果を狙ったものだと考えますか?

直線的でプリズムのような表現は、電子基板の動きに近い印象があります。近未来感やテクノロジー感を演出するのに適した表現です!もし温かみのあるコンセプトであれば、同じ手法でも丸みを帯びた光の表現、たとえばライトリークのような柔らかい演出に変えるべきだと思います。

つまり、モチーフの形状そのものが伝えたい世界観と連動している。角ばった表現か、丸みのある表現かという選択が、企業の伝えたい人物像を映す鏡になっている、という視点は転用しやすいですね。

Method 4

”近未来感”や”テクノロジー感”を

直線的でプリズムのようなモーショングラフィック用い視覚的にアピールする

演出モチーフの形状を調整することで

企業の描くビジョンを自在にグラフィックへ落とし込める

多様な社員インタビューで「定義されなさ」を物量で示す

社員インタビューのカットが非常に多く、しかも一人ひとりの発言はバラバラです。これはなぜあえてこの構成にしていると思いますか?

スキルよりも「気持ち」を重視した採用だからだと思います。新卒採用なので、能力よりも変わりたいという意欲や主体性を重視している。バラバラな発言をあえて並べることで、多様な人材が活躍できる会社だというイメージを、量によって証明しているんだと思います。

役者ではない出演者の発言は本来聞きづらくなりがちですが、それでも量を選んだのは「一番信用できる伝え方」を優先したから、という仮説は納得感があります。企業側が動画に社員を出す際、上手に喋らせることよりも人数と熱量を優先する、という判断基準として応用できそうです。

Method 5

洗練された演技やセリフに頼らず、”実際の様々な社員”を数多く登場させることで個々のバラバラな言葉と熱量をそのまま映し出し

多様な人材が活躍できる会社の「信用度」を物量で証明する

BGMと編集点を合わせる「音ハメ」

中盤、ビルの色が変わるカットがドラムの音に正確に合っています。これは意図的な音ハメだと思いますか?

はい、間違いなく意図的だと思います。音楽の展開に画面の変化を合わせることで、視聴者に心地よいリズムを感じさせています。2分半という長尺にもかかわらず飽きさせない理由の一つは、この細かい同期の積み重ねだと思います。

技術やコストよりも、構成と編集点の作り込みで体感時間を変えている。ここは予算の大小に関わらず、どの制作会社でも意識次第で再現できる部分だと感じます。

Method 6

色の変化やカットの切り替えをBGMに正確に合わせる”音ハメ”を徹底

視聴者に”心地よいリズム”を提供し長尺の動画でも飽きさせない

目から光が放たれる「意志」の表現

最後のシーンで、目から光が発散するような演出が入ります。この表現の狙いは何だと思いますか?

意志の強さを視覚化する演出だと思います。アニメ表現に近いですが、強い決意を持った瞬間に光が放たれる、という記号として機能している。同時に、これが最後のカットであることから、映像全体のリズムを締めくくる役割も担っていると思います。

内容の説明ではなく、感情のピークを視覚記号で表現して締める。ラストカットに何を置くかで、動画全体の余韻が決まる、という点は多くの企業ムービーに応用できる考え方だと思います。

Method 7

”目から光を放つ”アニメーション表現は

キャラクターの内面的な意志や感情のピークを視覚的にストレートに伝え

カットの最後に配置し映像全体のリズムを締める

分析のポイント振り返り

全体を通して見ると、単なるビジュアルの良さではなく、配色・画角・音ハメ・演出のすべてが「何者にも定義されない」という一つのコンセプトから緻密に逆算されて作られていることが分かりますね。

そうですね。既存のイメージを崩す挑戦的な表現や視覚的な感情表現など、「どう見せて感情を動かすか」の仕掛けが満載でした。採用動画に限らず、自社ブランディングやプロモーション映像を企画する際にも再現性の高い事例だと言えます。